ジンギスカンは、出来ればタレで味がついていないのが好きな、岩松正史です。
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傾聴では、
・相手の気持ちを理解する
・相手の立場になって考える
とよく言います。
これは混乱を起こしやすい微妙な表現です。
「相手の気持ちを理解する」とは、
相手の立場をわが身に
置き換えてみることではありません。
「わが身を、相手の立場の中に置こうと試みること」
です。
両者は似ているようでいて真逆です。
「相手の立場を、わが身に置き換えて見る」は、
たとえば、相手にツラい出来事があった時、
「私が、同じ立場だったらつらいだろうな」
「私が、同じ立場だったらどうするだろうか?」
と考えます。
これは「相手の気持ちを理解する」こととは
関係がありません。
ただ、自分の中の価値観や人生経験の
フィルターで想像し、分析しているだけです。
一方、
「わが身を、相手の立場の中に身を置こうと試みる」は、
よくよく相手の話を聴き、相手の感覚や
思考パターンをよく理解したうえで
「当然、目の前の人であればそう考えるだろう」
「私とは、全く違う意見や感覚だけれど、
ここまで話を聴いた限りでは、
目の前の人であれば、そのように考え、
感じ、行動するに違いない」
と、相手の価値観のフィルターの
動きを十分に理解すると、それが、
「わが身を、相手の立場の中に身を置こうと試みる」
ことで、
相手の気持ちを理解することになります。
つまり、使うフィルターの種類が
「あなた製」か「相手製」で別メーカーなのです。
いかがでしょうか?
相手のことを分かろうとしているつもりが、
「相手の立場を、わが身に置き換えて見る」と、
「わが身を、相手の立場の中に身を置こうと試みる」
が、ごちゃごちゃになっていませんか?
ぱっと見、似ていますが、
真逆の効果が出ますので、
ちゃんと使い分けしましょう。
<お知らせ>
自分のフィルターで聴くのが同感。
相手のフィルターを
理解しようとするのが共感。
相手の気持ちを知るのに使うのは共感です。
共感的な聴き方を知りたい方は
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■傾聴の参考になる動画
心理学的な傾聴の説明をゆっくり学べます
→ 諸富祥彦の傾聴のねっこ(動画)