クレームを防ぐには「何に対して」謝罪するかが大事(2)

いつもありがとうございます。

「汚名挽回」という存在しない四字熟語を言われても、違和感がなかった岩松正史です。

前回の続です。

> 前回のBLOG
「クレームを防ぐには「何に対して」謝罪するかが大事(1)」

スマホ修理で電話したとき、
担当の方が発した応答、

「ご購入直後に関わらず、お手間おかけし、申し訳ございません」

というのは、
丁寧なように見えますが、

「ご購入直後」と「手間をかける」は
因果関係がはっきりしないので、
謝罪の意味が分からなくなってしまうという話です。

では、今回は意味が明確になる
謝罪の仕方とはどういうものなのか
考えてみましょう。

(1)何に対して謝罪するなら
(2)どのような言い方になか

見ていきます。

◆「購入直後」に対して謝る場合の種類

------------------
1.すぐに使いたい気持ちへの謝罪
------------------

(購入直後にもかかわらず)
「しばらく使えなくなります。申し訳ございません」

------------------
2.すぐ楽しみたい気持ちへの謝罪
------------------

(購入直後にもかかわらず)
「しばらくお楽しみいただけなくなります。申し訳ございません」

------------------
3.すぐ便利さを味わいたい気持ちへの謝罪
------------------

(購入直後にもかかわらず)
「大変ご不便をおかけすることになります。申し訳ございません」

------------------
4.すぐ壊れるとは思っていない驚きへの謝罪
------------------

(購入直後にもかかわらず)
「すぐ不具合が出たとのことで、弊社の製品を信頼してご購入いただいたにもかかわらずご期待に沿えず申し訳ございません」

・・・どちらにしても、

「お手数おかけします」

にはつながりませんね。

「手間をかける」ことへの
謝罪の場合はどうなるでしょうか?

◆「手間をかける」に対して謝る場合の種類

------------------
1.送る(受け取る)手間が発生する事実への謝罪
------------------

「宅配業者に引き渡しいただく、お手間をおかけすることになり、申し訳ございません」

------------------
2.余分な面倒をかけるわずらわしい思いへの謝罪
------------------

「正常に動作していれば不要な、余分なお手間をおかけすることになり申し訳ございません」

------------------
3.失う時間への謝罪
------------------

「お忙しいところ、お時間を頂戴することになり、申し訳ございません」

・・・こちらは

「購入直後」

とは直接関係ないですよね。

◆その他

考えてみるともう一つ。

「購入直後」とも「手間をかける」
とも関係なく、

「待たせなければいけない事実」

に謝罪することもできます。

「修理期間中、お待たせすることになりますことを、お詫び申し上ます」。

・購入直後
・手間をとらせる
・お待たせする

この3つを包括して
謝罪したい気持ちから

「ご購入直後に関わらず、お手間おかけし、申し訳ございません」

という言葉になったかなと
推測できます。

これでもなんとなく
伝わるから失礼にはなりませんが

せっかく謝罪をするなら
「何に対して」謝罪をしているのか
明確にした謝罪をするほうが、

より納得を得られやいでしょうし、
トラブルにもなりにくいでしょう。

別に今回怒ってもいないわけですが、
もし私が、修理依頼を受ける方だとしたら、
下のようにお伝えてみたいと思います。

「このたびは、『ご購入直後』の故障ということで、弊社製品にご期待いただいているにも関わらず、期待に沿えず申し訳ございません。また修理期間中、『せっかく』ご購入いただいた新しい端末が使えなくなること、業者との受け渡しに『余分な』お手間と時間を頂戴することについてもお詫び申し上げます。お預かりする端末については、責任をもって修理してご満足いただける状態で返送いたしますので、手続きの方をよろしくお願いいたします。」

これは今回の私への心情をとらえる
フルバージョンの応答です実際
全部通して言うと30秒かかります。

(実際に計りました)

なので実際には
会話の流れに沿って分けて
伝えることになるかもしれません。

『』部分は顧客の心情をくんだ
大切な応答になっています。

『』の部分を省くと
心情的な理解が浅く伝わり
応答が軽くなります。

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クレーム対応で誤っているのに
トラブルになっている場面では、

「なんとなく謝っているから」

というのをよく目にします。

何に対して謝罪するのか
決めるのは自分です。

お客さんに気持ち穏やかでいて欲しいなら、
気持ちを聴き、気持ちに対して応答する
謝罪をしましょう。

そのためも気持ちを聴きとる
傾聴をよくするのが一番です。

心当たりがある方は、
やってみてください。

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