いつもありがとうございます。
得意技は「衝動買い」の、岩松正史です。
相談事であれば「主訴」というのは
その問題の根っこのことです。
最近、介護の仕事をされている方から
全く同じ種類の相談を3件受けました。
同僚に対する不満です。
同じ立場もしくは後輩である同僚が
ちゃんと仕事をしないのを
どうしたら改善できるかという相談です。
この相談の表向きの主訴は文字通り
「同僚をどうしたらいいか」
です。
3人とも傾聴の講座にいらした方なので
コミュニケーションの仕方で
解決の糸口を見つけようとしているのですが、
同僚への接し方をいくら見直しても
おそらく問題は解決しません。
では表の主訴である問題を抱えざるを得ない
根っこにある主訴は何でしょうか?
それは、なぜ同僚への不満を
持たざるを得ないのかを
考えてみると分かります。
一番わかりやすい理由は、
表の主訴通り、
「同僚がちゃんと仕事をしてくれないから」
という理由です。
でも表の主訴は根っこの主訴があるために
引き起こしてしまっただけの
ただの結果でしかないのです。
では根っこの主訴は何でしょうか?
・・・
そもそも、
上司でも部下の管理は苦労するのに、
先輩や同僚という立場で別の同僚を
指導することは容易ではありません。
いやむしろ基本的には出来ないことです。
同僚の仕事の仕方を変えたいという3人は共通して、
ご本人は上司(会社)が決めた仕事内容を
きっちり守ろうとしている人でした。
それを同僚にも徹底させたいと
思っているのです。
では本来その仕事を
徹底させるべき責任者は誰でしょうか?
それはその仕事を決めた
会社あるいは上司です。
上司がちゃんと部下に教育を
しない(ように見える)から
仕方なく同僚同士で教育しようと
試みているのです。
・上司が、問題だと言われている人にちゃんと教育をしていない
・仕事のフローにおいて指示命令系統が確立されていない
・何らかの理由で私に相談をしてきた方自身が、上司にうまく思っていることを伝えられない
という問題が根っこにあります。
「同僚をどう教育したらいいでしょうか?」
という表向きの主訴の根っこには、
会社や上司への不満や、
自分ではいかんともしがたい
業務上の不備の結果があったりするのです。
そこに手を付けないままただ、
同僚への接し方だけ考えても意味がありません。
問題の経緯を聞くのも、
表向きの主張を聞くのも、
根っこにある裏の主訴を知るための
きっかけ作りに過ぎません。
何かを相談をされた時、
相談された内容そのものへの対策を
すぐ考えてしまうようではいけません。
そうではなくて、
「その問題を語らざるを得ない状況に陥っている、その人の心の訳はなんだろう?」
という視点で、その人が抱えている
心の背景をよく聴くのです。
すると、
上司に不満を持ちたい気持ちを抑圧して
代わりに怒りを同僚に投影していたり、
自分自身が根本的に抱えている
コミニュケーションが苦手な部分を、
投影しやすい他者に投影していたりするのです。
相談された内容に答えるのではなく、
まずその相談をしたくなっているその人の思いに注目し
それを言わざるを得ない心のワケを聞きましょう。
そうすれば解決のヒントが見えてきます。
「表の主訴」は「根っこの主訴」から
出てきた結果に過ぎないのです。
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<<編集後記>>
きのうは一日本の執筆をしていました。
時間をかけた割になかなか進みませんが、
でも納得いく内容で書き進めているので、
このペースで進めたいと思います。
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