胸を張るとお腹がでる

「講師業なので立つときの姿勢には気を使います。」

「できるだけまっすぐ立って、猫背にならないよう胸を張って立つようにしています」

お世話になっている整体師さんにそう言ったら、

では立ってみてくださいと言われて立ちました。

いつも通りの胸を張って立って見せると、

「お腹が前にでて、顎が前に出ていますよ」

「まっすぐ立てていませんね。横から見ると背骨がS字に曲がっています。」

と言われてしまいました。

自分がまっすぐだと思っていた姿勢は、

かなり曲がっていたのでした。

そして、

そのあと整体師にさんに教えてもらった

胸を張れたまっすぐの姿勢は、

わたしにとっては初めて経験する

とてもぎこちない形だったのです。

自分が思う自分が本当の自分とは限りません。

自分の中に客観的な自分をもっていないと、

自分を見失ってしまうかもしれませんね。

自分が思うとおりにやればやるほど、

問題が深くなっていくこともありそうです。

そういうときは、

自分の思いを手放さないといけないときかもしれません。

心理学者C.ロジャーズは

「実際している『体験』と『自己概念』のズレが悩みの本質である」

と、言いました。

傾聴でいう一致とはまさに、

この二つを自分の中でみつめ、

問いかけ続けるということなのです。

人の話が聞きにくいのは、

聴き手の『体験』と『自己概念』のズレがあるからです。

自分の中のずれた感覚にも意識を常に向ける。

傾聴の一致とはそういう意味も含まれています。

あなたが思い体験している自分は

本当に自分がなりたい方向に

導いてくれる自分になっているでしょうか?

自己概念とずれていないでしょうか?

ときには信じているもの、

執着している考えを手放してみるといいかもしれませんね。

「私は、思い込みの生き物だ」

と、知っておくのがよさそうです。

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