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いつもありがとうございます。
「いのち」について考えている、岩松正史です。

近所に住んでいる友人から
LINEが届いた。

なんとなく気が進まず、
メッセージを開くか、どうか躊躇した。

でも、開けてみた。

そこには、今週、共に空いてる時間に、
家系ラーメンを食べに行かないか
という、誘いが書かれていた。

「家系ラーメン…」

なにか、
心が引かれない感じがした。

その感じは、
断りたい方向を示していた。

断りの返信を打とうと
指を動かし始めようとした瞬間、

もやっとした感じがして
指が止まった。

いますぐ、即、返信を
打つのを止めようとするのを
躊躇する感じが立ち現れていた。

（この違和感は何だろうか？）

その感じにとどまってみると、
最近、やたらとLINEがくる数が多くて、

いちいち、応答するのが
めんどくさいと感じている
自分がいることに気がついた。

その違和感は、
「いまは、返信しない方がいい」
と、いう方向を示していた。

また、

その感じは、同時に、

「永遠に返信しないのではなく、
　とりあえず明日目が覚めてから、
　返信するか考えよう」

と、いう方向性も示していた。

この、「からだ」に漠然と感じられる
もやっとした感じは、

はっきりした、明確な
意味がわかるわけではない。

でも、

その感じには、
はっきりはしていなくても、

よりよく生きるため、あるいは
自分を守るための何かが含まれている。

そして、

その「何か」は漠然としているけれども、
無意味なわけではなく、

自分が行きたい方向、あるいは
行きたくない方向性が指し示されていた。

・・・

この「漠然と体に感じられるもやっとした感じ」
のことをフェルトセンス。

フェルトセンスの中に含まれている
はっきりしないけれど、暗在的に
何かが含まれていることをインプリシット。

そして、

フェルトセンスには
暗在的なだけれども、無意味ではなく
「方向性を持っている」ことを
インプライと呼びます。

「よりよく生きる」というのは
頭で考えた方向を目指すという
意味ではありません。

そもそも、人には自分をよりよく
生かそうとする命の働きがあり
（インプリシット）

その働きは、体で漠然した感じとして
からだに立ち現れる。
(フェルトセンス)

その、感じは何かしらの
方向性を持っている
(インプライ)

頭で考えて、目標設定して、
その方向を目指そうとするのが
「よりよく生きる」ではなくて、

あえて「思考」を使って言うなら、
思考している最中に、

「からだ」に立ち起こる感じについて、
無視することなく、粗末にすることもなく、
軽くあしらうこともなく、丁寧に耳を傾ける。

すると、

自分は、何をイヤがっているのか？
あるいは、どこに行きたがってるか？

違和感と、しっくり感の意味づけがされ、
自分にしっくりくる、より良い方向、
あるいはマシな方向が見えてくる。

それが、

傾聴が考える「よりよく生きる」です。

人の話を傾聴する意味は、
人間は、上に書いたように自分を
理解して進んでいく生き物であるから、

その自分自身のフェルトセンスから始まる
自己理解のプロセスを、
まず邪魔しないようにします。

そして、

できれば、さらに促進
されやすくなるように
聴いていくのが、いい傾聴です。

＜今日の一言＞
感じが示す方向に沿って生きる

＜編集後記＞

今日１２月１日は「いのちの日」です。

2001年に厚生労働省が
自殺予防活動の一環として制定しました。

精神的危機に追い込まれ
誰にも相談できずに1人で
悩んでいる人たちのため、

この日から1週間、
無料の相談電話「いのちの電話」が設けらました。

現在は、通年で相談が
出来るようになっています。

参考：いのちの電話連合会
https://www.inochinodenwa.org/