共感の種類

前回まで2回にわたってせっかく

共感について触れたので、

もう少し触れておきましょう。

共感はひとつのものと思われていますが

そうでもありません。

「広義の共感」と「狭義の共感」

にわけることができます。

【共感1】結果(体験)としての共感

「共感できる!」というのはこの状態です。

共感の結果(体験)をした、

あるいはできるようになろうということで

一般的によく使われている共感はこれのことです。

【共感2】姿勢&耳の向け方としての共感

同感ではなく共感で聴こうとすること。

▼同感と共感のちがいについての過去記事
http://goo.gl/E0rKcy

自分とは違う感じ方の相手をわかろうとすることも

「共感」に含まれます。

【共感3】行為としての共感

カウンセリングのテキストを見ても

「自分が体験しているものと相手が体験しているものが

 同じであるかどうか、確認しながら進む」

と、いう表現はよく出てきます。

では具体的のどのように確認していくかというと、

傾聴のスキルの中にある「伝え返し」を使います。

①聴く→②確認をする(伝え返し)→③違いを修正する→④くり返しで再確認する(共有)

この作業をくり返すことで、

共有できるものを増やしていきます。

共感の「共」の字は、

「ともに感じる」の「共」であると同時に、

「共有」の「共」でもあるのです。

その共有するための具体的なやり取りの方法(プロセス)も

「共感」と呼ぶことができます。

・・・

このように共感には

「広義の共感」と「狭義の共感」があります。

ひとことで共感といった場合に、

いったいどの意味で使ったかにより

理解できる内容も変わってくるというわけです。

共感のような抽象的な言葉は、

具体的な言葉におきかえて説明しないと

個人の感覚だけでは理解される内容も

深さも変わってしまいます。

抽象的な言葉は、具体的に理解する

ことで、共感を目指す

ロールプレイの深さも変わります。

今回は触れませんが、

共感に似た抽象語で「気持ち」という言葉も

実にあいまいに理解されています。

傾聴で「気持ちを大切に!」

と、言った場合の

「気持ちとは何か?」

これも複数の要素で構成されています。

言葉を抽象的に理解していると

練習の目指す方向も定まりません。

傾聴の練習をするなら、

言葉の定義は自分の中で

明快に説明できるレベルまで

理解を深めておく必要があります。

自分にも相手にも

「言葉の意味を分かろうとする」

知識と感情の違いはあっても、

これはまさに傾聴マインド&スキルそのものです。

相手を分かりたいなら

まず自分をよくわかりましょう。

自分をあいまいにしている人は、

相手もあいまいにしてしまうものです。

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