よい矛盾を特に許す

出張先のホテルの部屋で、ホテルが提供している

インターネットをつなごうとしたらつながらない。

30分以上チャレンジしたがつながらないので、

あきらめて、持参した自分の無線LANをつかって仕事していた。

深夜1時を過ぎて、寝ようと思い

部屋の電気を消した。

「消した」といってもふだん

真っ暗ではなくて、常夜灯つける習慣があるので

明るさ調整できる照明を最小にして寝た。

もちろん、

スマホもコンセントにつないで

充電もして。

・・・

横になって数分、「カチッ」と音がした。

何かと思って目を開けると

常夜灯消えて部屋が真っ暗になっている。

さらに、

コンセントにさしたスマホも

充電がされていないことに気が付いた。

部屋が「停電」していた。

何だろうと思って

ベッドから体を起こしたら

またカチッと音がして、

電球も、コンセントも電源がついた。

3回くらいやってみたが、やはり

数分じっとしていると部屋中の電気が切れ、

私が「動く」とついた。

「まさか人感センサー?」

我が家の玄関にもつけてある

人の動きを感知する人感センサーが頭に浮かんだ。

一瞬ありうると思ったが、

仮にそうだとしても

節電ために明かりが消えるのは理解できるが、

コンセントの電気まで

落としてしまったら充電できなくなる。

それはしないだろうと思い

やっぱり故障だと思ってフロントに電話した。

女性のスタッフが出た。

事情を説明するとやはり人感センサーによる

節電はしておらず故障だと思うということで、

部屋を交換すると言ってくれた。

(動くとつくので不思議な現象・・・)

時計は1時半を過ぎていた。

すぐ来るというので、

広げてしまった旅の荷物を急いで

かばんに詰め直して待っていた。

ところが、

やってくる様子がない。

すぐ来るというのだから

せいぜい5分くらいだろうと思ったが、

10分経っても来ないのでまだ電話した。

すると、

先ほどの女性スタッフが出た。

「一人対応で、フロントを離れられずにいる」

と、申し訳なさそうに言った。

だったらはじめから(あるいは途中でも)

新しい部屋の鍵をフロントに取りに来るように

言ってくれればよかったのに思えて、

少し腹が立った。

・・・いや、

その前、インターネットがつながらない

くらいからすでに少し腹が立っていた。

寝たいタイミングで寝れなくなっていることにも

少し腹が立っていた。

それから5分くらいしてスタッフがきた。

同じフロアにある新しい部屋に移動しながら、

申し訳なさそうに何度も謝ってくる。

「別に、大丈夫です。」

と言っては見るものの、

眠いのと腹が立っているのとで、

とても「さわやか」とはいえず

不満がにじんでいるのが自分にもわかった。

でも、そんなことを気にする余裕もなくて、

新しい部屋に移動したら、

荷物を広げることもなくそのまま寝た。

自分がとってしまった態度が

少し気になったまま眠りについた。

・・・

翌朝、仕事に出る際にフロントの前を通った。

昨日対応してくれたスタッフがいるのが

接客している姿が見えた。

向こうも私に気づいて、

行ってらっしゃいませと声をかけた。

そのまま、玄関を出て数歩歩いたところで

「気になっている自分」に気づいた。

きのう自分がとってしまった態度について

何か「フォロー」をしたい気がした。

「いまさら・・・」

とも一瞬思ったが、

夜勤明けでまもなく仕事を終える(であろう)その人に、

嫌な思い出を残して一日を終わらせてしまうのは

忍びない気が勝手にした。

そして振り返ると、

今できることがあるような気もした。

旅行かばんをガラガラ引きづりながら、

ホテルのフロントまで戻った。

スタッフも私に気が付いて、

「きのうは申し訳ございませんでした。」

とまた申し訳なさそうに謝ってきた。

わたしは、

「きのうはありがとうございました。おかげでゆっくり休むことが出来ました。」

と一言だけ言って、その場を立ち去った。

ホテルを出るときに再び

「行ってらっしゃいませ」

と聞こえてきた声が、

心なし先ほどよりちょっと明るかったような気がした。

・・・

脳は「矛盾することを嫌う」。

だから

ひとたび怒ってしまうと、

そのあと同じ相手に会った時、

にこやかに接するのは難しくなる。

怒っていた自分を引きづって「いたい」からだ。

よからぬ感情を引きづることよりも、

矛盾することの方を脳は強く嫌う。

では逆はどうだろうか?

はじめは愛想よく「笑顔」で接し始めたら、

やはり次に会う時も「そういう人」である

態度をきっととるだろう。

でも、

何かの拍子に一度でも「怒ってしまう」と、

やはり先ほど同様、

その次からは、笑顔に戻ることに矛盾を感じて、

なかなかできなくなるのだろうか。

一度怒ってしまうと笑顔には戻らない(戻りにくい)。

本当は、

「一度笑顔を見せてしまうと、怒る態度はなかなかとれない。」

くらいがちょうどいいのかもしれない。

でもそうはならない。

それくらい「怒り」は他の感情に勝る「何か」を持っている。

人は罪悪感を持ちながらも

矛盾を避けるため「怒り」続ける。

そういうクセがある。

だからこそ・・・

笑顔の自分を作る「チャンス」ではないか。

せめて自分の中に、怒り続けることへの

罪悪感を感じたときくらいは、

自分に「矛盾」を許したいものだ。

私をモヤモヤさせているのは、

相手ではなく私自身。

そして、

「自分の感情の責任は、自分でとることが出来る。」

自分が喜ぶ矛盾を積極的に許そう。

そうすればきっと、

自分の中にあるモヤモヤが晴れて、

他人にモヤモヤをぶつけることも減るだろう。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「矛盾する自分を許そう」

子供を叱ってしまうことが多い親御さんが、

子どもをほめにくくなるというのも

同じ原因ですね。

矛盾しても、ほめていい場面は

ほめてみてはいかがでしょうか。

自分が矛盾することを許せることは、

他人の矛盾ことにもつながります。

他人にも、自分にも、

いい矛盾は大歓迎であります。

・・・

ちなみに部屋を移動しら、

インターネットはつながりましたし、

部屋の電気も消えることがなくなったので

やはり前の部屋のが故障していたようです。

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