20代の頃の話です。
仕事で失敗してしばらくくよくよしていた時に
当時の上司から
「後悔はしないで反省しろ」
と言われました。
その時は、
なんとなくわかった気になっていたのですが、
ふと急に「後悔」と「反省」の
違いが気になりまして。
調べてみました。
・「後悔」…後になって自分のしたことやしなかったことを悔やむこと
・「反省」…
①自分のよくなかった点を認めて、改めようと考えること。
②自分のしてきた言動をかえりみて、その可否を改めて考えること。
調べてみて思ったのは、
「あの時はダメだったなぁ」と考えているという点では、
反省の①と後悔の違いがよくわからないなぁということ。
そして、反省②の「可否を考える」と
「悔やむ」は違うといえば違うような気もしますが、
どこが違うのだろう?
と疑問に思ったのでした。
・・・
「なんであんなことしたんだろう???」
と、後悔して悔やんでいるときというのは、
同時に、
「次同じ場面があったあたら、絶対に二の轍は踏まない」
とも当然、思っているわけです。
だとすると、後悔と反省①の違いもよくわかりません。
そんなことをいろいろ考えている最中に
一つ気が付いたことがあります。
それは、昔上司から言われた
「後悔はせず、反省をしろ」
という考え方は、二者択一の考え方だったんだということです。
つまり両者は同居はできない相反するものだから、
どちらかを選ばないといけないと思うから、
後悔ではなく、反省をしろと言ったのでしょう。
でも
個人的には、前述のとおり、
「なんであんなことしてしまったのだろう?」
と後悔しているときは、同時に
「同じ場面があったら、絶対に二の轍は踏まないぞ」
と反省もしていることが多いのです。
もともと、二者択一ではなかったのではないでしょか。
・・・
似たような例が傾聴の学習でもあります。
傾聴では「受容、共感、一致」という3つの態度を大切にします。
共感と似た言葉で「同感」という言葉があります。
「共感するのが難しい」
という方の中に、
「どうしても同感してしまう」
という方がいます。
つまり、
「同感してしまうから、共感ができない」
と。
そんな時私は、
「同感していても、共感はできますよ」
とお伝えします。
なぜなら、共感と同感は
漢字は似ていても、まったく別のことだからです。
共感は一言で言うなら、
「あなたはそう思っているですね。」
と、相手が思うことをちゃんとわかること。
同感は、
「私はこう思う」。
別に、私がこう思っているときに
相手が別のことを思っていてもいいでしょ、
・・・といいますか、
基本的に同じことを思ことの方が珍しいことです。
よく講座中に
「賛成できない話は、どうやったら共感できますか?」
と質問をいただきます。
「賛成できない」は言い換えると、
「私と同じではない」ということで
「同感できない」というのと同じです。
「自分が何か意見を持っている」ことと、
「別の誰かが別の意見を持っている」ことは
全く関係がないことですから、
同感(できる/できない)の気持ちもありつつ、
共感すればそれでいいわけです。
「私」と「あなた」をごっちゃにしようとするから
苦しくなるだけです。
相反するものではないので、
同感しながら共感。
共感しながら同感もできます。
・・・
こんな風に考えてみると、
今自分が感じている苦しみや難しさというのは、
その事柄そのものが難しいのではなくて、
前提条件が間違っているから
難しくしてしまっているだけなのかもしれませんね。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「後悔しながら、反省しよう」
どちらか一方でないといけないと思うと、
出来ていない自分が苦しくなります。
でも、両方一緒にあるのが当たり前と思うと
「後悔している=反省できていない」
とならず、
反省もプラスしていくことができます。
いかがでしょうか?
これをお読みいただいているあなたは、
言葉の雰囲気でなんとなくそうだなぁと
思いこんでいることはありませんか?
一つ一つ見ていくと
もっともらしい言葉の中に、
勘違いが見つかったりします。
間違ったことを信じれば、
間違った結果になるのは当たり前ですね。
もしかしたら、
今あなたが苦しいと思っているものの中に、
そもそもの前提が間違っていることが
あるかもしれません。
・・・
そのような、
本人には当然と思えるのだけれど、
客観的にみるとおかしな考え方のことを
心理療法家のA.エリスは
イラショナル・ビリーフ(非合理な信念)と呼びました。
いまがパーフェクトにハッピーならば、
自分を疑う必要はありません。
でも、そうでもないとしたら
自分の中に非合理な信念があることを、
疑ってみると解決の糸口が見えてくるかもしれません。
「自分を知る」というのは、
好みや趣味を趣向を知ることよりも、
いい意味で「自分を疑ってみる」こと
なのかもしれませんね。
さて、今日も、後悔もしながら、
反省を生かす一日にしましょうか。
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