思いやりを推奨する

私が就職したてだったころのコンビニ業界は

成長産業であると同時に、未成熟産業でもありました。

特に接客に関しては、店舗ごと、

人ごとで接客レベルの差が大きくて、

分厚い「接客マニュアル」が

作られていた時期でもあります。

そして、その接客マニュアルがもとで、また

クレームが増えた時期でもありました。

どういうクレームかといいますと・・・。

マニュアルのあいさつの仕方の中に

「ありがとうございました。またお越しくださいませ」

と言いましょうというのがあったのですが、

アルバイト店員が文字通り、

「ありがとうございました。またお越しくださいませ・・・」

といったとき、

「心がこもってない」

と、お客さんからお叱りを受けるケースが多発したのです。

そのときに、オーナーさんや

アルバイトさんから言われたのは、

「別に悪気があって、心を込めていないわけじゃないんです。どうやったら心がこもったように伝わりますか?」

と言われ、

困ってしまい、はっきり答えられなかった記憶があります。

・・・

わたし個人の中には、なんとなくあるん。

「買ってくれありがとう」とか、

「来店してくれたありがとう」と思う気持ちが。

ありがとうという気持ちがあると、

自然と心がこもった挨拶ができます。

でも、ありがとうと思っていない人に、

「どうやったら、ありがとうと思えるか」

教えるのは大変です。

一応、その時は、

「お給料は、お客様から頂いてんですよ。」

とか伝えたのですが、

「チーン」という感じで、説得力が全くりませんでした。

理屈じゃないんですね、きっと。

・・・

なぜ、こんな昔の話をしたかと言いますと、

実はつい先日、電車の中でこんな車内広告を目にしまして。

当時のことを思い出したのでした。

その広告にはこう書いてありました。

「駅や車内でお困りの方を見かけた際は、思いやりのあるお声掛けをお願いします。」

と。

「駅や車内でお困りの方を見かけた際は、お声掛けをお願いします。」

までならわかります。

でもそこに「思いやりのある」がついてしまうと、

言葉はきれいっぽいですが、なんだか中身がなくて

フワフワしているように感じてしまいました。

「声をかける」行動までは提案できても、

「思いやりを持て」といわれても

きっと誰もできないですね。

・・・

「思いやりをもちましょう」

「感謝しましょう」

「謙虚になりましょう」

「ありのままの自分を認めましょう」

・・・こういう、その人の心の持ち方に

関わる話というのは、

それが出来ている人自身が、

「自分ごと」として話す分には

素晴らしいのですが、

それを「他人ごと」にした瞬間に、

形だけの言葉になってしまい、

中身がすっぽり抜けてしまう・・・。

そんな気がしてならないのです。

では、どうしたら

ありがとうと本当に思えたり、

思いやりを持てる人になれるのでしょうか?

それは、こうすれば絶対なる

というわけではないと思うのですが、

最低限、これがない人には

無理だろうということで思うところをお伝えすると、

「ありがとうと言われて、嬉しかった体験が多い人」

「思いやりを持って接してもらったと、感じた体験が多い人」

であれば、似た心をもって

人に接したくなる確率も高まる気がするのです。

自分がされてよかったという自覚がない人に、

言い方や形だけマネさせても、

当然、心はこもらないだろうと思うのです。

では、そのためには何ができるのでしょうか?

それは、もちろん親や大人みんなが

感謝や思いやりの気持ちをもって

他の人や子どもに接する姿を見せたり、

体験させることがいいと思うのです。

でも、

その大人自身が、感謝や思いやりをもって

接してもらった経験が乏しかったら

やっぱり、できませんよね。

では、この悪循環の中でできることはなんでしょうか?

まず、出来る大人の人は自分からしていって

社会全体に感謝や思いやりの機会を増やしていくこと。

そのため最適なのは、

多くの大人が人生の長い時間を過ごす

会社や組織の中で、社員さん同士が

指示や解決だけでない、

感謝と思いやりを体験でき場を

設けるのもいいでしょう。

そして、

そういう感謝や思いやりがある

職場やグループが身近いにないなら、

日々、自分に感謝をし

自分に思いやりを持つ練習をすることは、

(自分以外の)誰からも邪魔をされず、

感謝を思いやりを増やしていくことができます。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「言葉がきれいでも、中身がなければ意味はない」

車内広告を見て、親切を言葉で促さなければ

ならない日本であることが

ちょっと悲しくなる出来事でした。

さて、

まず自分ができることから。

今日一日、あなたはどんな

「ありがとう」と「親切」を

自分にしてあげましょうか?

私も今日一日意識してみるので、

一緒にちょっと意識して、

一日過ごしてみませんか?

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