硬すぎる煮込みうどんを許せるか?

講座開催他のため、きのうから名古屋に来ています。

仕事で名古屋には何度か来たことがありますが、

せっかく来たら、楽しみはやっぱり名古屋メシ!

と、いうことで、

昨日も到着するとすぐに

味噌煮込みうどんを食べてにいきました。

初めて入ったお店だったのですが、

でてきた味噌煮込みうどんを

食べてみたら、ビックリ!

「麺が硬い・・・」

もし同じものが家庭の食卓で出てきたら、

「もうちょっと、やわらなく煮込んだ方がいいんじゃない?」

とアドバイスしたくなるような硬さです。

ところが、不思議なもので、

本場のお店で食べていると

「これが本場の味か!」

と、妙に納得して喜んでいる自分がいたのでした。

郷に入れば郷に従え、とでもいいますか、

普段なら許せないことでも、

自分の中で心の準備ができていると許せた。

そんな経験はないでしょうか?

・・・

以前にも自分で不思議だと思ったことがあります。

もう7、8年い行っていないのですが、

以前、韓国に行くのが好きでした。

初めて韓国に行くとき事前に知人から、

「韓国では、電車の中で携帯電話でみんな普通に話しているよ」

と聞かされまして。

実際、行ってみたら、

本当に電車の中で、携帯を使っている人たちがいて、

それを見て、

「これぞ、うわさに聞いていた韓国!」

と、感動したのでした。

日本にいると、マナー違反だと思うので、

使っている人を見るとちょっと

イラっとすることもあるのですが、

不思議なものです。

こんなふうに、自身の経験を思い返してみても、

常識とかマナーというのは、

社会全体の総意で作られているようでいて、

実は、個人的な好き嫌いといいますか、

時と場合、そして個人的な都合によって、

簡単に変わるものだとわかります。

だからなんでも守らなくていい

ということはないですけれども、

「常識でしょ」

「普通そうでしょ」

「あたりまえでしょ」

と、相手に言葉をぶつけても

関係を壊すだけなのは間違いありません。

・・・

話が少しそれますが、

よく傾聴に関する質問で、

「意見が違う人と話しているとイライラして、反論したくなるのですが、どうしたらうまく聴けますか?」

という質問をいただきます。

まあ、気持ちはわかりますよね。

でも考えて見ると、その問いの立て方

そのものがちょっとおかしな気がします。

「意見が違う人と話していると・・・」

というのですが、

そもそも、世の中に同じ意見の人なんているのでしょうか?

部分的に一緒なことはあっても、

同じ人なんて世の中にも一人もいませんよね。

基本、「意見が違うのが当たり前」

ではないでしょうか。

そのときに、

「意見が違う人の話はどう聞けばいいでしょうか?」

ということは、

聴き方の方法を質問しているように見えて実は、

「私、みんなが自分と違うのが許せないんです」

と宣言しているように聞こえます。

つまり、聴き方の方法の問題ではなくて、

心のコントロールといいますか、

自分の心との付き合い方の問題なのかなと。

「違うから聴きにくい」

というのはわかります。

でも、聴くのは何のためかといいますと

「違うから聴く」

のです。

「常識」「普通」「当たり前」という表現は、

自分には仲間が多いと思わせたいときにする

自己肯定感の低さから出る言い訳ともいえます。

人の口を借りずに、

「私はこう思う」

「私にとっては~」

と、一対一の人同士として、

表現できるといいですね。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「常識とは、個人的な好き嫌い」

味噌煮込うどんを食べ終えて、

席を立とうとした瞬間、壁に貼られた

一枚の貼り紙の文字が目に入ってきました。

そこにはこう書かれていました。

「やわらかい うどんの煮込みもあります」。

本当に自信がある人は、自分のこだわりはあっても、

相手の必要に合わせて、譲る柔軟な姿勢も

とれるのでしょうね。

でも仮に、先にこの貼り紙を見ていたとしても、

やっぱり私は、自分の常識とは違う

「硬すぎる煮込みうどん」を注文していたでしょう。

だって、自分の常識とは違うことを知るというのは

とても面白いことですから。

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