ここ数年、今まで以上にたくさんの人たちと
お会いするようになって、強く感じることは
「見かけ以上にみんな大変だ」
ということ。
離婚、怖い体験、命に関わるいろいろな病気・・・。
いま目の前でお会いしている様子からは、
到底想像できない、波乱万丈の人生を送っています。
職業柄、カウンセリングをしてるとき以外でも、
相談を受けることが多いので、そういう個人的な事情が
よく耳に入ってくるというのもありますが、
それ以上に、
もともと人は、見かけ以上に人それぞれの
波乱万丈を抱えながら生きているのです。
そのような過去の出来ごと。
あるいは、過去から現在まで引きずっている
すべての心理的な問題を「解決」することなど
到底できるはずはありません。
精神分析でも、認知行動的なアプローチでも、人間性心理学でも
カウンセリングというものの多くが「気づき」を、
回復のために重要視しす。
気づくことにより、何が起き得るかというと
一つには、
気づいていなかったことに気付くことで、
目の前に具体的な問題がクリアに見え来ることがあります。
問題が何か特定できれば、対処方もでてきます。
「気づく」と「問題解決」につながります。
でも「気づいた」としても、
解決できない問題もあります。
「いま苦しいのは、過去のあの出来事が、原因だったんだ・・・」
「子供がグレてしまったのは、過去にパートーナーと離婚したことが関係しているに違いない。」
と気づいても、
現状を変えることもできません。
・・・
「問題は解決すべき」
「問題解決が素晴らしい」
という風潮が世の中にはあたりまえにありますけれども
問題を認識できたからと言って、
解決できるとは限りません。
むしろ、その気になれば
解決できるという類の問題は稀です。
人生に起きてくる問題の多くは、
解決できないまま、一定期間、あるいは一生
抱えながら生きていかなければない物の方が多いはずです。
例えば
「子どもが言うことを聞かない」
「上司がやかましくてかなわない」
「近所にめんどくさい隣人がいる」
「介護が大変だ」
「仕事が忙しすぎる」
これらの問題を、今すぐ解決できますか?
出来るという人がいたら、
その人は魔法使いかウソつきです。
それぞれには、
問題解決につながりそうな対処法が
あるように見えるものもあります。
やってみたら、効果が出ることもあるでしょう。
でも、実際は問題解決に向けてアプローチしたつもりでも
効果が出ないことが多いはずです。
解決しようと思ってすぐ解決できるくらいの問題なら
とっくになくなっています。
・・・
私は思います。
支援をする人は「問題をなくそう」
とする姿勢は、まず捨てたほうがいい。
「問題はなくならない」前提で
支援をしたほうが現実的な支援ができます。
どういうことか?
問題が解決した状態になることは願いつつ、
問題を「なくす」ための支援ではなく、
問題を「抱えながら生きる」ための
支援をしましょう。
問題は一筋縄では解決しない。
あるいは、
解決自体するかどうかわからないものが多いのです。
仮に、問題解決を目指せるような
課題に向き合うときでも
一瞬で消えてなくせることはありません。
やはり問題を抱えながら過ごす時間が発生します。
解決出来そうな問題に対しても、
そこに至るまでの時間、
「抱えながら」いられるような
精神的な支援は同時に提供できます。
ところが、
問題解決だ仮に意識が向くと、
抱えられるようにするための支援に意識が向かない。
そんな人もたくさんいます。
「問題さえなくなれば、すべては解決する」
という考えは間違いです。
「解決できず、抱えながら生きられる」
ような支援もしっかりしましょう。
一生、問題がなくなるなどと言うことは、
非現実的であり得ないのですから。
「抱える機能」が大切です。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「問題は、抱えながら生きられるのが素晴らしい」
あなたは、今日もどんな問題を抱えながら、
それでも元気に生きていますか?
あなたもきっと、何か抱えながら
生きているものがあるはずです。
<お知らせ>
自分の悲しみや苦しみを抱えられるようになると、
大切な誰かの悲しみや苦しみのそばにも
いてあげやすくなります。
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