(時間:約45分)
秋山さん(※仮名)について少しご紹介させていただきます。
秋山さんは今から8年前、傾聴1日講座にお越しくださったお客様です。
「生まれて初めて、お金を払って講座というものを受けに来ました」
と、緊張されていたのを今でもよく覚えています。
講座受講後、産業カウンセラーの資格を取得。
地元で傾聴の講座も開催していました。
私の記憶術も受講され、娘さん2人とダイエット講座まで受講された、とてもアクティブな方です。
しかし、いまから3年前に大病を患いました。
体の免疫機能が、皮膚や関節を攻撃してくるという、治療法がまだない難病です。
傷みも毎日当たり前にあるそうです。
そんな大病を今も抱えているにも関わらず、2年前にお会いしたときも、今回も、「いまが人生の中で一番幸せ!」と、笑顔で断言される、人生を悟りきってしまったかのような方が秋山さんです。
ご自宅にいることが多いため頻繁に書かれる、絵や切り絵などのアートはプロ級。
ときよりSNSにアップされる作品を拝見すると、つい目を奪われ、引き込まれてしまいます。
歩行も杖が必要な状態で、大好きだった介護職からも病気を理由に離れなければならなくなった秋山さん。
その秋山さんの貴重な体験と想いを、誰かに届けたいと、ずっと思っていました。
今回、ようやくタイミングが合い、お会いすることができました。
みなさまにご紹介したいという要望にもおこたえいただき、今回、公開することをご快諾いただきありがとうございます。
この場を借りてお礼申し上げます。
医療、介護の現場で使える、または必要な傾聴とは何か?
傾聴ボランティアに必要な関わり方とは?
医療、介護の現場と傾聴に精通した方のお話にご興味ある皆様に、ぜひお聞きいただければ幸いです。
【概要】
・話し手は、看護助手~介護職歴15年の専門家、秋山ゆみさん
・仕事を始めた当時は、傾聴と言うことは言葉程度しか知らなかった
・病気が重症な方などに話しかけられて困り、人と関わるのが怖くなってしまった
・人を避けるようになったことを後悔した
・傾聴を学んでから、きちんと人に向き合えるようになった
・元気づけるのが仕事という思い込みのせいで、悩みが深くなった
・励ます元気づけるより、一緒の時間いることが大事
・看護助手よりも、介護職の方が人間関係は濃厚
・看護、介護の現場で一番役に立ったのは傾聴だった
・くり返し同じ話をする方には、傾聴で聴くととても楽に聴ける
・常識的になだめようとすると、うまくいかない
・「あなたは、それが心配なんですね」を本気でわかろうとすると、気持ちが落ち着いてくることも多々ある
・「それは大変ですね!」と「それで大変なんですね!」は違う
・嫁の悪口を聴きながら、反論したくなって聴けなかったのが、だんだん気持ちで聴けるようになった
・落ち着く、安心感をもってもらうために傾聴がいい
・励ましは、気持ちの無視になる
・励ましや、ポジティブをやろうとすると介護職員は病んでいく
・介護職では傾聴が大事と習うが傾聴の仕方をちゃんと習った人はほとんどいない
・ボランティアは「してあげる」にこだわらないほうがいい
・話さない利用者さんを「厄介」と思うならボランティアじゃない
・マジメなボランティアさんほど「話させようとする」「話させる」は傾聴じゃない傾聴ボランティアは、話せない人のそばにいる
・「傾聴=話させる」と訴える傾聴ボランティア養成講座は危険
・傾聴は言葉より、発せられない言葉に込められた思いの方を聴く
・嫁の悪口を言いう人が言いたいことは、何か?話したくなる気持ちの方を受け止める
・うまいことを言おう、慰めよう、励まそうとすると聴くのはつらくなる
・ポジティブな話しか聞いてもらえない寂しさ
・立ち位置を明確にしよう「入居者さんを喜ばせに行くのか?」「自分が喜びに行くのか?」「喜べない人のそばに寄りそうのか?」
・「元気づけよう!」は時に暴力、気持ちの無視になる
・ポジティブもネガティブも「フラット」に聴く
・有償サービスも、無償のボランティアも人に対する責任は同じ
製作:一般社団法人日本傾聴能力開発協会