言葉というのものは、
頭で理解される事よりも、
心で理解されたことが優先される。
今日はそんなお話です。
街で出会った14歳の大道芸人
ある日行った、大きな街の駅前広場に、
人だかりがありました。
見るとそこでは、3mほどの
ハシゴを使った大道芸。
やっている大道芸人は、
高校生くらいの若者。
支えのない2本足だけの大きなハシゴの
一番上に昇って見せたり、
ハシゴを両足で挟んで立って見せたり、
ハシゴノ上でジャグリングして見せたり。
ときどき失敗もするものの、
そこも愛嬌に変えながら観客を
楽しませていました。
私も、
「こんな若い子がよく頑張ってるな」
と思いながら目を細めてみているうちに、
だんだん引き込まれていきました。
結局、終わりまでそこにいたのですが、
最後は一番大事な「アレ」が
あるわけです・・・。
大道芸はボランティアではありません。
大道芸人さんにとって
パフォーマンスすることは、
収入源でもあります。
多分に漏れずその若い彼も、
チップをたくさんもらうための
クロージングに入ったのですが、
その時発した言葉に、
思わずうなって1000円札を
出してしまいました。
その言葉とは・・・。
思わずチップをたくさん払ってしまったトーク
さて、ここで問題です。
あなたが大道芸人だったとしたら、
観客にどう言ってチップをたくさん
もらおうとするでしょうか?
選択肢
——————————————————-
1.「チップを募集しているのでよろしくお願いします」
2.「チップをもらえたら嬉しいです」
3.「小銭だけ入れて帰る大人にならないでください」
——————————————————-
ちなみに1番は「お願い」。
2番は「感情を伝える(アイメッセージ)」。
3番は「人格に訴える」です。
もうお分かりでしょうか?
まず、いきなり上の言葉を
言ったのではなくて、
・なぜ5歳から大道芸人になったのか?
・いままでどんな苦労をしたのか?
・みんなにとってどんな素敵な夢を叶えたいのか?
そういうストーリーをこんこんと
述べてから、上の様な最後の言葉に
つなげ、たくさんのお金をを
ゲットすることに成功しました。
記憶をもとに彼の論調を
なんとなく再現してみます。
「(前略)私はこんな思いで大道芸人をしています。
そして、みんなの笑顔をもっともっと
増やしていきたいと思っています。
今日も失敗もしました。でも、
一生懸命させていただきました。
子どもたちは楽しんでくれましたか?
これからももっとうまくなって
もっとたくさんの笑顔を作って
いきたいと思っています。
そしてこれから未来をつくって行く
子どもたちにも大道芸のすばらしさを
知ってもらいです。
大道芸のすばらしさを、大道芸で
人生を変えられることを、
知って欲しいと思っています。
そのためにはもっと練習も必要だし、
練習を続けるためには
生活していかないといけません。
大道芸はボランティアではなく職業です。
僕はこの仕事を誇りに思っています。
いま目の前に箱を置いてあります。
そんな僕の夢を応援しようと思ってくれる、
大人の方がいたら支援をください。
小銭だけ入れる方もいらっしゃいますが、
すみません、それもありがたいのですが、
正直言います。
小銭だけでは一日生活することが
出来ません。
こんな僕を応援しようと思ってくれる
心優しい方がいたら小銭ではない物を
入れてください。
「小銭だけ入れて帰る大人には、ならないでください」。
自分は悪い人間と思いたくない心理
人は行動を指示されたり、
とがめられることを好みません。
なぜなら心の奥底でいつも
怠けているわけではないし、
いつもごまかして生きているわけではない
自分がいることを知っているからです。
ですから、いっときの行動だけを
とがめられると反発心が芽生えます。
ところが、
「そういう人間にならないでください」
とか
「そういう人になってください」
というメッセージはその人の「人格」
そのものに直接働きかける
言葉がけとなります。
悪いことをしないでくださいとか、
いいことをしていくださいと
行動の善悪で言われるより、人格に
訴えたほうがなんとなく
守らなきゃいけないそんな心理が
人にあるんですね。
私は、もともとその心理があることは
知っていたのですが若干14歳で、
その言葉を使いこなす若者に思わず
うなって迷わず1000円札を出して
しまったのでした。
そう合理化した言い訳をつつ、
実は私自身14歳の若者の人生を
粗末にする大人になりたくなかっただけ
なのかもしれませんね(笑)
こざかしいと思うかもしれませんが、
それが人の本心。
いわゆる心理と思ってみれば
勉強と思えるのではないでしょうか。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「頭で理解できる言葉より、心で理解できると人は動く」
いまとなってみると、本当に彼が
14才だったかどうかさえ確認するすべも
ないわけですが(笑)、
なんとなく、悪い人間にならなかった
自分にホッとしているのは事実です。
このBLOGをお読みいただいている
あなたも、BLOGを読むのをやめて、
岩松正史を見捨てるような人間には、
ならないでください!(笑)
言葉というのはその人の深層心理まで
含まれる分、罪ですね。
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