朝食を自分は食べないクセに、
毎日、子どもたちの朝食を作るのは私の仕事。
毎朝作っていると、何を食べさせればよいのか?
だんだん困ってくる・・・
そんなお母さんも多いのではないでしょうか。
(お父さんでもいいですけど)
今日も朝のっそり起きてきた娘に
朝食、何を食べたいか訊いてみまた。
すると、娘は答えました。
食パン!
・・・簡単でいいです(笑)。
早速、冷凍してあった食パンを30秒電子レンジでチンして
ゆるく解凍してから、トースターで3分焼き始めました。
(チンせずいきなり冷凍パンをトーストすると固くなりますね)
3分たって焼けたら、バターを塗ります。
この時、とても気を付けることがあります。
それは「端っこまでバターをしっかり塗ること」です。
・・・
大昔、まだ小学生だったころ、正月や夏休みになるとときどき、
当時実家があった長野から、京都にある祖父母の家に遊びに行きました。
正月だと、関西に多い親戚たち集まってきて、にぎやかでしたね。
そして朝になると決まって、おばあちゃんが朝食に食パンを焼いて出してくれました。
わが家でよく買う6枚切りの食パンではなくて、4枚切りの分厚いやつです。
4枚切りのパンがこんがり焼かれて、バターが塗られた状態で出てきます。
そのパンをいただくときに、子どもながらにちょっと残念に思っていたことがありました。
「端っこまでバターがあって欲しいな・・・」
そうなんです。
おばあちゃんがパンに塗ったバターは、いつもパンの真ん中部分に集中していて
端っこまでは塗ってなかったんですね。
それがちょっと残念で。
「そんなの自分で塗ればいいじゃないか!」
と言われそうですが、それじゃ駄目なんです。
なぜなら、食卓に並んだとき食パンはすでに少し冷め始めていて
冷めたパンにバターを塗っても、焼きたてのとき塗られたもののようには
トロリと溶けてくれません。
毎回焼き直すのも面倒ですし、失礼な気もしますし・・・。
白い感じが残らず、溶け切ってパンに染みわたった
バターが好きだったので、あとからは塗りませんでした。
そんな思い出があるものですから自分が親になり、パンを焼く層の立場になった今は、
自己満足ではありますが、バターを端っこまで塗るようにしています。
たまに自分で食べても、おばあちゃんの家の様な分厚い4枚切りでなくても、
6枚切りのパンでも、端までバターが染み込んでいると、
一口目から「当たり」のような気がして、やっぱりおいしいなと嬉しくなります。
意外と「端っこ」って大事です。
・・・
傾聴で人の話を聴きとるときも同じですね。
会話の最中多くの人は、会話の中からザックリと大枠の内容だけ理解して聴いています。
あるいは相手の気持ちを聴こうとする人は、ストレートに表現してくれる気持ち、
たとえば、
・嬉しかったんですね
・悲しかったんですね
・嫌だったのですね
・許せないのですね
のように、よくあるのが形容詞をしっかり聞き出そうとする聴き方です。
でも、その人にとっての気持ちを本当に理解するには
そういうわかりやすい真ん中だけではなくて、
実は発言の端っこに出てくる言葉にこそ、
その人の「想いの訳」「質」「意味」がよくあらわれています。
たとえば、ただ「嬉しかった」ではなくて、
「ちょっと、嬉しかったかな・・・」なんて言っているかもしれません。
・ちょっと→気持ちの程度
・かな→気持ちの受け止め方の特徴
(まだ自分の心の中で漂っている状態で、確定できない気持ち)
ただ「嬉しかったですね」とくり返すより、
「ちょっと、嬉しかった・・・かな、という感じなのですね」の方が、
話し手の微細な気持ちのあり方をよくとらえていると思いませんか?
・・・
食パンに塗られたバターは、真ん中にあるだけでも美味しいです。
でも、真ん中だけではなくてその周囲、端っこにもちゃんと塗っておいてくれると
さらに味わい深いものになるのであります。
人の気持ちを聴こうとするときは、形容詞だけでなく、
その表現の端々にある、微細な表現までとらえて聴きとりましょう。
それが、相手の気持ちをより深く理解するということです。
<傾聴するときの気持ちとは?>
・×気持ち=形容詞
・〇気持ち=形容詞+意味や価値を表す表現すべて
このことがわかるとビジネスでは(気持ちなど表明しないので)、
傾聴は使えませんねなどと言う人はいなくなります。
クレーム対応も、お客さんのニーズも言葉の端々にその人の心理がよく表れています。
気持ちをちゃんわかってもらえていると思うから、
クレームが減ったり、心が満足するお客さんに
ぴったりの提案が出来るようになります。
気持ちをわかりたいなら、言葉の端々に注目してを聴きましょう。
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■傾聴の参考になる動画
心理学的な傾聴の説明をゆっくり学べます
→ 諸富祥彦の傾聴のねっこ(動画)