家にある物が減らせない人がいます。
その人はきっと物が減ると、人生が減ってしまうと無意識が感じているのでしょう。
物が増えることで人生が増え、自分の生きている価値が増えると潜在意識が感じ取っているのかもしれません。
買い物依存をはじめとする依存症はすべて、自分の人生に何かが足りていないと潜在意識が思うから、悪いと思っていてもついやってしまうという類のものです。
解決の方法は2つ。
・他の物で満たす
・なくても人生が上手くいくと感じる
この状態をいかに作っていくかが課題です。
している行為そのものが悪いと言って止めても、無意識が人生に足りないと感じているなら、行為を止めさせても効果は期待できません。
きっと別のよくない行動を起こして、補おうとするだけでしょう。
依存症と神経症は似た部分があります。
私は、自分は幸せだと思っているつもりです。
でも、Amazon依存の私はきっと表面上、自分は幸せだと感じていても、深層心理はまだまだ人生に飽き足りないから、つい買ってしまうのです。
ゴミ屋敷に住んでいる人がいるという話を時々耳にします。
でも、空屋敷(からやしき)に住んでいる人がいるという話はあまり耳にしません。
それはゴミ屋敷の方が話題になりやすいからというのもありますが、空屋敷にするほど心が満たされている人が、世の中に少なくて空屋敷自体が少ないからでしょう。
あるいは、片付かない家=片付かない心と結びついていることを、人は無意識に気付いていいて、綺麗な心よりも(自分も同じものを抱えている)汚い心の方に、惹かれるのかもしれません。
それはともかく・・・。
増やしすぎると減らしたくなるというのが、一般的な人の心理でしょうか。
自分という存在に満たされていない部分が大きい人ほど、満たされない心を物で満たし続けなければいけないのかもしれません。
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物に限らず、仕事の量、家事の量を減らすのを躊躇する人もいます。
自己暴露してしまえば、私はAmazonに依存気味であると同時に、ワーカーホリック気味でもあります。
単純に仕事が楽しいという面の裏と、その裏に、仕事が減ることへの恐怖がある事を自覚しています。
健康を害するほど働こうとはしませんけれど、年60日出張を入れているので、家庭は害されているかも知れません(笑)。
失業し仕事を失った経験がある私は「仕事がない=生きていけない」という恐怖を実体験しました。
同時に、「仕事がある=生きていける」喜びも十二分に知っています。
「恐怖や不安」と「喜び」の感情は表裏一体なのではなく、いつも同時に存在していると感じます。
何ごとも増えすぎるのも、減り過ぎるのもよくないわけです。
最終的には両者のバランスという話に落ち着いてしまうわけですが、でも、上限と下限のギリギリを知っているからこそ、ちょうどよくバランスがとれる場所が見つけられるのです。
上限と下限がわからないのに、いいバランスをとることはできません。
バランスが取れている状態に近づくためには「バランスをとろう」とするのではなくて、むしろバランスをとることを気にしないことが大切です。
バランスに意識を向けるのではなく、いま自分が置かれている状況や、心が向くものにどっぷり浸かってみる。
そうすることで、はじめてバランスが取れている状態を体が見つけられるのでしょう。
これまで10年間仕事時間を増やし続けてきた私は、一つ一つの仕事の中身は濃くしながら、働く時間は減らしていくことに、心が動き始めました。
きっと私の中で「何か」が満たされたのでしょうね。
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この時期になると、来年一年分の活動予定をカレンダーにすべて書き込みます。
来年は仕事を少し減らして、産業カウンセラーやキャリコンの資格更新のための講座、あるいはずっと気になっているけれど行けていない、心理学系の講座に行けるよう、スケジュールを少し空けておきたいと思うのでした。
「バランスが取れた状態を目指すなら、バランスを気にせず右に左に思いっきり振れてみる。」
その時心底十分だと感じれば、自然と脳は違う状態を作ろうと動き出します。
「人間は自己成長力を持っている by C.ロジャーズ」
一つのことをやり切り感が十分でないと、別のことをしていても、いつも意識はいろいろなことを考えて宙ぶらりんになりがちです。
バランスをとりたくなっているときというのは、どちらも中途半端なときとも言えます。
そうなっていないか見直すチャンスです。
いまやっていることに、もう一歩深く踏み込んでやってみましょう。
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