傾聴で傾けるもの

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いつもありがとうございます。
フラッペより好物なものを見つけたかもしれない、岩松正史です。

先日ロジャーズに関するある本を読んでいたときに、
傾聴に関わりはじめて16年目にして
まったく傾聴が理解できていなかったと反省をしました。

「カール・ロジャーズとともに」という1983年の春
ロジャーズが来日したときの模様が書かれた本です。

ロジャーズは87年に亡くなりますから
最後の来日を記録した貴重な本です。

傾聴の「傾」を「かたむける」と書きますが
いったい何を傾けるのか???

理解が不足していたことに気づきました。
傾聴で傾けるもの・・・

もっとも一般向けにわかりやすい説明は
話を真剣に聞きましょうと言う意味で
「耳を傾ける」
という説明が一番簡単です。

それも間違いではありません。

でもその本の中でロジャーズが共感について説明する部分で、
傾けるものについて次のように説明していました。

「自分自身を傾ける」

それを読んだときに前後の文脈も含めて
私の聴き方がまだまだ浅かたと気がつきました。

・・・

個人的なことになりますが私の聴き方には
確かに自分自身が傾いている部分が確かにあります。

でもそれは「私は私、あなたはあなた」と
別の人格である明確な線が引かれた状態の中で
自分を傾けに行くという感じの聴き方です。

それはそれで悪くはないと思います。

でも本気で聴いている最中に
意図したものではない不思議な体験がときどき起きます。

まるで私がヒーロー戦隊ものに出てくる巨大ロボットの中にいるかのように、
私がクライアントという乗り物の中に入って、
クライエントの視点からクライアントが見ている世界を
見ているかのような感覚になることがあるのです。

自分を傾けようとしているというより
「自分が傾いている状態になっている」
というのが適切な表現な気がします。

そうなるともう、

私とクライアントという別ベルノ場所に2人存在せず、
あなたの中に私がいるという見え方になります。

おそらく、

ロジャーズがいわんとする「自分自身を傾ける」とは
自分を傾けることそのものが目的ではなく、
いま私がいったように

クライアントの世界の中に
クライアントというフィルターを通して
自分がクライアントの世界に入るための
1つのとっかかりを表現しているに過ぎないのでしょう。

・私があなたに耳を傾けているとき、私から見えるのはあなたの姿
・私が私自身をあなたに傾けているとき、私から見えるのはやはりあなたの姿
でも、
・私があなたというロボットに乗ったとき、私から見えるのはあなたのあなたが見ている精神的な世界の景色

「相手に耳を傾ける姿勢をとろう」とか、
「私が気持ちを傾けようとか」試みようとしている時とは
まったく違う違う次元で見える(感じる)ものが違ってきます。

映画館で例えるとこんな感じです。

・映画の登場人物と自分が同化してしまっている(同調、同感)→傾聴では使わない
・観客席という客観的な場所から映画の世界を感情豊かに楽しんでいる→今まで私が伝えてきた共感
・私という人間が映画の登場人物というロボットに乗って登場人物と同じ方向を向いて映画の世界の中に存在している→自分を傾けた状態になっている共感

さらに、

もう一つ面白い発見をしました。

「あなたというフィルターを通して、あなたの中から見えている私もいる」はずということです。

・私という人間が映画の登場人物というロボットの中からスクリーンの外にいる観客席の私を見ている(→共感???なんと呼べばいいのかまだわからない)

こうなるともはやユングがいっていた

「私が石なのか、石が私なのかわからない」

ような世界に入り込んでいきそうです。

話を戻すと・・・

ロジャーズが当初「共感する」ではなく「共感の状態」と表現したのと同じように
「自分自身を傾ける」は傾ける行為ではなく、
自分が傾いた状態をいかに作り出すかということですね。

私もときどき傾いた状態になることがあるので、
自分の中で起きていることを掘り下げて
また言語化してトレーニングに活かしたいと思います。

たった一文章を読むだけで、
16年間考えもしなかった気づきがあることに驚くと同時に、

たった一文読むだけで深い気づきが得られる自分がいることも発見しました。

私は傾聴に関するこれらの気づきが、
理屈ではなく純粋に楽しくて大好物であります。

わたしは傾聴にだいぶ傾いているようです(笑)

それにしても合理的と言われるアメリカの中で、こんなにも繊細な感覚を感じながら生きていた人がいたのでと言うことに驚くとともに、それをまとめて発表してくれたことに感謝しかありません。

そしてそのリアーズの素晴らしさに気づき日本に紹介してくれた人生の先輩たちにも感謝であります。

私はアカデミックに傾聴やる気は全くなくて、学問にするつもりは全くありません。

民間あるいは個人のフィールドの中で傾聴な人生を生き、そこで出会った傾聴の良さがわかる人たちを支えていきたいと思います。

<お知らせ>

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<<編集後記>>

きのうは1日マクドナルドでパソコン仕事をしていました。

短時間寄ることはありますが、まる一日いたのは久しぶりです。

いま夏休みなのでそこそこ混んでいて
あまり長居しないようにしていました。

それでも回数は結構行きますけれどもね。

最近、マクドナルドで変わったことがあります。

それは「ブラック」が通じるようになったことです。

以前ブログにも何とか書きましたが

「店内で、コーヒー、ブラックで」

といっても必ず渡すときに

「お砂糖とミルクはいかがしますか」

と聞かれてうっとうしく感じていました。

最近それがありません。

ぱっと見ではわからないのですが
おそらくオーダーを受けたレシートの中に
ブラックを示す表記が追加されたのではないかと推測しています。

何度か試しましたが注文を受ける人と
商品を出す人が違う人でもブラックで
通じていたことがあるのでおそらく間違いないと思います。

社会観察、人間観察が趣味であります(笑)

今日も一日どこか外で仕事です。

今日もいい一日をお過ごしください!





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■傾聴の参考になる動画
心理学的な傾聴の説明をゆっくり学べます
→ 諸富祥彦の傾聴のねっこ(動画)

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