「本当の自分」は、どこにいるのか(フォーカシング実践講座の案内あり)

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いつもありがとうございます。
ちょっとほっとしている、岩松正史です。

「本当の自分を見つけたい」

そう考えている人は、けっこう多いですよね。

でも、

ロジャーズの傾聴の土台となっている
人間性心理学では、固定された
「本当の自分」がどこかに存在するとは考えません。

人間性心理学は、過去を掘り下げて
本当の自分を発見しようとする
精神分析に対抗する立場として生まれました。

こういう疑問があるからです。

もし「本当の自分」がいるのなら、
それはどこに、どのような形で
存在しているのか。

また、一歩譲って、過去のどこかに
決められた「本当の自分」がいるとしても、
なぜその過去の自分が、本来あるべき
正しい自分だといえるのか。

たとえば、

ランチを食べに中華料理店へ行ったとします。

最初はラーメンを食べるつもりだったけれど、
店に着いたら、なんとなく
チャーハンを食べたい気分に変わった。

このとき、ラーメンを食べたかったはずの
本当の自分はどこからやってきて
どこに行ってしまったのでしょうか。

または、

今日、この時間、この場所で、
チャーハンを食べたいと思くなる
本当の自分は、いったいどこから現れたのでしょうか。

こうに考えていくと、
あらかじめ決められた「本当の自分」が、
自分の内側のどこかに存在していると
考えることには無理がある。

それが、ロジャーズらの主張です。

私自身も以前は、
「本当の自分を見つけることが大切だ」
と考えていた一人です。

でも今は、人間性心理学の考え方に賛成しています。

本当の自分がどこかにいるのではない。

その瞬間、その瞬間に立ち
上がってくる自分がいるだけなのです。

・・・

では、その瞬間ごとに立ち上がってくる自分は、
何をもとに生まれるのか。

それを説明したのが、ロジャーズの弟子であり、
共同研究者でもあったユージン・ジェンドリンです。

人は、自分についていろいろと話していても、
最初から自分のことをすべて
理解しているわけではない。

話しながら、自分が口にした
言葉を自分に照らし合わせ、

「これはしっくりくる」
「何か違う気がする」

と、確かめています。

では、その言葉を自分の「何に」
照らし合わせているのでしょうか。

ジェンドリンは、「自分という人間全体」に
照らし合わせていることを発見し、
これを(肉体という意味とは違う)
「カラダ」と呼びました。

そして、その自分のカラダにある
状況や言葉に照らしあわされる参照先のことを
「フェルトセンス」と呼びました。

人は、自分の内側のフェルトセンスに
照らし合わせながら、人生を生きているのです。

それが、しっくりくれば、

「これでいい」
「今の自分にとっては、これが正解だ」

と感じて、行動を始めます。

反対に、しっくりこなければ、
頭では理解できていても、何となく
モヤモヤして動く気になれません。

「フェルトセンス」と横文字で聞くと、
難しい言葉に感じるかもしれません。

でもジェンドリンは、人はいつも
フェルトセンスを基準にしながら
人生を生きていると考えました。

そして、ロジャーズはその理論に
賛成をしています。

何を食べるかを決めるときも、
学校に行かないと決めるときも、

メールの文章を直すときも、
休日をどう過ごすか考えるときも、

私たちは頭で考えながら、
同時に自分の内側の感じに
照らし合わせて物事を決めています。

だから、

自分のフェルトセンスという「心の声」に立ち止まり、
丁寧に耳を傾けることで、
自分らしいこれからの生き方が見えてきます。

でも、

一人で自分の内側にとどまり続けることは、
簡単ではありません。

誰かに話をしっかり聴いてもらうことで、
自分のフェルトセンスに注意を向けやすくなり、
自己探求が進みやすくなります。

話し手が自分のフェルトセンスにとどまり、
自己対話を深められるように聴く。

それが、傾聴の理想的なあり方です。

いい聴き手は

「話を進めるのではなく、感じに留まる」

のです。

・・・

では、

聴き手はどうすれば、話し手にとって
そのような存在になれるのでしょうか。

ロジャーズやジェンドリンは、
それについても明確な答えを示しています。

聴き手自身が、
自分にフォーカシングしながら聴くことです。

ロジャーズの理論の重要な点は、
聴き手が受容的、共感的な態度で話を聴いていると、
話し手もその態度を自分自身に
向けるようになります。

聴き手から受け取った受容や共感を、
クライエント自身が自分に対して向け始める。

そして、

少しずつ自分の内側に、自分の話を
聴いてくれる「インナーカウンセラー」
が育っていきます。

一方、聴き手の中にも、
話を聴いている最中にさまざまな
思考や感情が湧き上がります。

自分の意見を言いたくなったり、
反論したくなったり、退屈したり、
焦ったりすることもあります。

大切なのは、そうした感情を否定したり、
隠したりすることではありません。

自分の中に湧き上がった思考や感情にも、
受容的、共感的な態度を向けることです。

ロジャーズは、このように
自分の内側で起きていることを否定せず、
誠実に受け止めている状態を「一致」と呼びました。

つまり、

傾聴する人にとって最も大切なのは、
まず自分自身に対して受容的、共感的でいられることです。

自分に対するその態度が、
相手への受容や共感につながり、
やがて話し手自身が自分を受容し、
共感できるようになっていきます。

そして、

この自分の内側に注意を向け、
丁寧に感じ取っていく行為を
「フォーカシング」と呼びます。

一致=フォーカシング

なのです。

聴き手が、自分の内側に
注意を向けながら話を聴いていると、
話し手も次第に自分の内側へ注意を向けるようになります。

聴き手も話し手も、
自分にフォーカシングできるようになる。

これが、傾聴の真髄です。

・・・

傾聴をベースにカウンセリングを行う専門家の多くは、
フォーカシングのトレーニングを受けています。

フォーカシングは、悩みや苦しみを抱えている人や、
自分らしく生きることに息苦しさを感じている人に向いています。

どこかに隠れている「本当の自分」を
発見するためではありません。

今の自分の内側にある感じを丁寧に理解し、
自分らしい次の一歩を見つけるための方法です。

また、カウンセラーにとってフォーカシングは、
「一致」を身につけるためのトレーニングにもなります。

人を知るためには、まず自分を知ることが大切です。

自分をもっと理解したい方は、
9月から再開するフォーカシング1日講座で、
自己流や精神論ではない、
具体的な自己理解の方法を持ち帰ってください。

<フォーカシング1日講座>

ベーシック&アドバンス

* 9月19日・20日
* 11月21日・22日

※日程が合わない場合は、1日のみの受講も可能です。
※アドバンスは、ベーシックを修了した方のみ受講できます。

https://jkda.or.jp/focusing

◆傾聴1日講座
・東京 8/3、8/29、9/4、10/5、10/17、11/9、11/21、12/7、12/19
・大阪 7/27、8/8、9/28、10/24、11/9、12/5
・オンライン 8/24、9/13
https://jkda.or.jp/keicho_oneday_lecture

◆傾聴サポ-タ-養成講座
・東京&オンライン 8/1、8/2、8/6、9/5、9/6、9/10、10/3、10/4、10/8、10/31、11/1、11/5、12/5、12/6、12/10
https://jkda.or.jp/school/supporter

<編集後記>

8月1日、きのう新事務所で
初めてのリアル会場で
傾聴サポーター養成講座を開催しました。

オンライン受講者向けのネットは1日持つか?

新しい会場まで、受講者さんは無事来れるのか?

開催していて問題は出てこないか?

様々な気持が錯綜しながら
不安を抱えて始めた1日でを無事に終え
ほっとしています。

講座の内容も7年ぶりに一新したので
会場も内容も当たらな気持ちで
スタートを切ることができました。

問題もいくつか見つかりましたが
これから改善できる程度のことなので
ほっとしています。

今日は2日目。

2日後には、傾聴1日講座も
会場があります。

設備や環境も少しずつ改良して
一日も早く慣れたいものです。

今日もいい一日をお過ごしください!

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