傾聴講座に来る方には、
接客の仕事をしている方もたくさんいらっしゃいます。
聴き方に困ってくる方もいれば、
中には、自分はある程度聞けていると
自負を持ってくる方もいます。
でも、講座が終わるとその自負を持っていた方も
最後に感想で
「ぜんぜん聴けていませんでした」
という人が多くなります。
べつに私の講座がすごいといいたいのではなくて、
参加者の方の中で、ある明確な違い
が生まれたときに起きる現象なのです。
「聴けていなかった」と言えるのは、
ネガティブな自己否定とも違い、
ポジティブで明解な理由があります。
その理由とは・・・
「そもそも、聴けている/聴けていないという基準を持っていなかったことに気付いた」
ということです。
C.ロジャーズは傾聴では
受容、共感、一致が大事といいますし、
講座でも、
「共感とは何か?」
についてかなり詳しく学びます。
そこで「同感する」ことと
「共感する」ことの違いを明確に区別します。
必ずしも同感を引き合いに出す必要はないのですが、
比較対象をがあることで、
より鮮明に共感が浮き彫りになり、理解が進みます。
「聴けていなかったことがわかりました」
といえる人は、
共感をちゃんと理解したことで、
「同感的に話を聴きたいのか?」
「共感的に聴きたいのか?」
「それ以外の聴き方をしたいのか?」
そもそも「どう聴きたい?」という基準が
そもそも自分の中にはなかったことに気が付いたのです。
旅行にこうにも、どこに行くか目的地が決まらなければ、
「その旅行が楽しそうか」
もわかりませんし、
「どの交通手段を使っていくのか」
も決まりません。
ただ何となく(目的にも決まっていないのに)、
「電車に乗っていけばいいんじゃん?」
というわけにはいきませんよね。
傾聴に限ったことではありませんが、
目指す基準が明確ではなく曖昧だと、
「出来ている/出来ていない」
の判断もできないし、
それを自自現する方法も決まりません。
そういう意味で、
「聴けていないと分かりました」
と言えるのは
「自分は、北海道に行きたいのに、大阪行きの新幹線に乗っていた」
とわかるようなもので、
一つの基準が明確になったという意味で
とてもポジティブな反応です。
基準を持つときのポイントは
聴き方の基準は「自分の中の基準」であることです。
たとえば、
「相手が喜べば成功/喜ばなければ失敗」
というような、外の基準ではいけません。
なぜなら、
外の人の反応は時と場合によって
すぐに変わってしまうから、
基準として使えないからです。
内側の基準が必要です。
「どう聞けたときに自分に丸が付けられるか」
があると、
そこに向かって、脳は動き出します。
基準がないまま、
うなずきあいづちをしてみても、
学びは薄くなってしまいます。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「私は、どう聞きたいのだろうか?」
そしてもう一つ。
たとえば親が子供のために人生を犠牲にしていると、
その姿を見て子どもが
「大人になるというのは自分を犠牲にすることなんだ」
を学ぶび、将来への不安を募らせるようになるのと同様に、
「自分の中の基準がある人」が話を聴く事こそが、
実は悩み苦しみ、自分の生き方の
基準を見つけられずにいる人にとって
支えとなる礎となるです。
何ごとも、している行為そのものよりも
何を思ってそれをしているかが
自然と伝わっていきますね。
基準を自分の中に持ちましょう。
<お知らせ>
寄りそい、支え、そのままを理解する。
そのように共感的に理解する練習をしたい方は
11月24日、26日に2回開催される
大阪傾聴1日講座にお越しください。
↓
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