ゴールデンウィーク終わった、月曜の夜。
小6の娘が、たくさんのテキストと
ノート広げて勉強していた。
勉強ギライの娘が・・・。
熱でもあるのか?と思い訊ねると、
算数の塾の宿題に、まったく手をつけてないらしい。
どれくらいたまっているのか訊くと、
ゴールデンウィークが始まる、はるか前、
2週間分ほどたまっていた。
「水曜日の塾には間に合わない量だから、もう、やらなくていいんじゃない?」
そう声をかけたが、娘には娘なりの
やらなければいけない事情があるらしい。
「あー大変」
「なに?この問題」
など、文句を言いながら、ダラダラやっていた。
・・・
自慢ではないが、私は娘に
勉強をしろと言ったことはない。
でも、勉強でも何でも、
自分で「やる」といったなら、
真剣に向き合う姿勢でやらないと
何倍も時間がかかるし、身にもならない。
やるならやる。
やらないならやらない。
「ダラダラやる」というのが、一番気に入らない。
やると言っている割には、
効率的に進めようとしない娘に
「文句言いながらやるなら、やめちまえ!」
と渇を入れた。
「全部で何ページある?」と訊くと、
娘「わからない。とにかく、たくさん」
私「世の中に『たくさん』という数字はない。何ページあるか数えて」
と、伝えた。
人間の脳は「たくさん」と思っているうちは、
ぜったいに効率的に動かない。
オシリの数が正確にわかって初めて、
それを処理しようという意識が芽生える。
脳にエンジンがかかる。
勉強でも仕事でも、効率が悪い人の特徴は
「全体像を把握しないまま、とにかくとりかかる人」。
こういうタイプの人は、ちっとも前に進まない。
しんどい気分だけに浸ってしまう。
そして、
少しやって時間がたつと、
まだ全然進んでいない感覚に支配され、絶望する。
また、そういう脳の使い方が正しくない人に対して、
「とにかく頑張れ!」
という指導者がいるとしたら、
これほど無能は指示はない。
具体的に全体像が把握できていなければ、
頑張れるわけがない。
とにかく何ごとも、
全体像をぼんやりと理解していてはダメ。
いま宿題に取り組んでいる娘なら
「何時までに」
「何ページ」
「何個の問題を」
解く必要があるのか?
もっと言えば、その中で、
「手を付けやすい問題が何問で?」
「難しい問題は何問あるか?」
まで理解したほうがいい。
このように全体を数字で理解するだけで、
しない時に比べて何倍も効率よく脳は自然と動きだす。
なにか「できない」人の多くは、
能力が足りないことよりも、
そういう、脳にとって当たり前の
環境づくりが出来ていないことの方が多い。
そして、
その部下や子供を指導する立場の人自身が、
脳の環境づくりがよくわからないから、
人が育たない。
脳の使い方が下手という意味では、
上司も部下も、お互い様だったりする。
・・・
話がそれたので元に戻して。
出来れば全体像や数字は視覚化したほうがいい。
そのほうが、より鮮明に脳に焼き付けられる。
ウダウダ文句を言い続ける娘に、
無理やりページ数を数えさせた。
でも、まだパッとしないので、
やらなければいけないテキストの種類とページ番号、
ページ数を1枚の表にまとめて渡した。
その表も、
バージョンアップを4回ほど重ねて
脳が出来るだけ飽きにくいよう工夫をした(※写真実物)。
(違いがわるでしょうか?)
もう深夜0時近い。
とりあえずその日は、いま終わっているところまで
横線で消させて、その日は寝た。
娘は、30ページ近い量、
(そして父からの怒りの指導)に
半べそをかいて寝た。
翌日、火曜日。
娘は学校から帰ってきたら、
急いで宿題にとりかかるかと思いきや、
友達の家に遊びに出かけていった。
大物具合は父親譲りだった。
自己責任なので、勝手にすればいいと見送った。
夕方帰宅した娘に、食事をとらせてから、
もう一度、昨日の表を見せ、
手を付ける順番の仕分けをさせた。
娘は、夜8時をすぎてから、
ようやく再び宿題に取り組み始めた。
夜10時過ぎ、息子を風呂に入れたので、
そろそろ寝ようと、
リビングにいる娘の様子を見に行くと
一覧表の、やり終えたページは
しっかりと横線で消してあった。
約半分終わっていたが、
まだ半分ちょっと残っていた。
でも、娘からの次の一言を聞いて、
安心して寝ることにした。
娘「だいぶ進んだ。あと半分くらいで終わる。」
今日中に、すべてが終わるとは思えない。
でも、娘の脳は確実に動き始めていた。
なぜなら
「まだ半分も残っている」
ではなく、
「あと半分で終わる」
と自然といえたのは、
脳が前向きにとらえている何よりの証拠だった。
人間の本性というものは、意識していることより、
このような無意識の言葉によく表れる。
人の心の微妙な変化をちゃんと聴きとれる
自分に少し感心した。
・・・
宿題は、終わっても
終わらなくても、どちらでもいい。
(困るのは私ではない)。
そんなことよりも、娘の人生には
これからも、宿題よりも大きな
課題がたくさん起きてくるだろう。
そのときに、
こんどは自らの意思で、最初から全体像をとらえ、
自分で自分の脳を動かそうとアクションを起こせる、
そういう能力さえ身に着けてくれればそれでいい。
それも練習が必要だろう。
あと数年かかってでも、
前向きな脳の動かし方が身につけば、
その前向きな脳の使い方は一生の財産になる。
それまでのあいだは、
また口を酸っぱくして同じことを
言い聞かせればいい。
そう思いながら、床についた。
【この言葉を自分に言ってみよう!】
「結果より、脳の使い方重視」
部下でも子供でも、叱ることで
前向きな脳の使い方に変わるなら
叱るのもいいでしょう。
実際、私は、脳の使い方が
よくない時に、子供をよく叱ります。
でも、ポジティブな脳にならないような
感情的な叱り方をして、
いったい何になるのでしょうか?
それは、自己満足です。
叱るなら、前向きな脳になるよう
叱りたいものですね。
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