任せる自信

「任せればいいことのはずなのに、なかなか任せきれない」

そんな悩みを抱えている人は、いないでしょうか?。

昨年秋、11年間続けてきた

傾聴1日講座「基礎」の講師が誕生した。

ご本人たちにしてみれば、

自分のためにしていることでしょうが、

私にしてみれば、感謝で「してくれている」としか思えない。

11年間かけて作り上げ、一人で開催してきた講座を

みなさんがしてくれていると思うと、

半年たったいまでも、なんだか不思議な気持ちになる。

同時に感謝の気持ちしか湧いてこない。

今回は、

「なぜ、講師を増やし、講座を他の人に任せようと思ったか?」

ではなく、

「なぜ、いままで任せられなかったのか?」

振り返ってみたい。

・・・

任せられなかった理由を知るには、

任せてみてからこの半年間に起きたことを

振り返ってみればよくわかる。

傾聴1日講座は、通常「基礎」と「実用」

それぞれ1日ずつ、2日連続で開催する。

その中の「基礎」講座の講師が昨年誕生した。

以前であれば「実用」講座を開催する際は、

前日もしくは以前に私の「基礎」講座を

受講してくれた方と再会する形しなかった。

ところが、

新たな講師の先生が誕生してからは、

私の基礎講座を受けていない、実用講座で

初対面となる方が来場するケースが出てきた。

「別の講師の先生から引き継ぐ」

というのは、初めての体験だった。

いままで人に任せられなかった一番の理由は、

まさにそこにある。

自分が知らないところで起きたことについて、

責任を取る自信がなかった。

怖かった。

私の基礎講座を受講してくれた人であれば、

基礎講座の中で私にとって必要なフォローを

入れながら進めることができる。

参加者の理解の深さ、広さも

わかった状態で実用講座に臨める。

ところが、

自分が担当していない方が来ると、

実際に会ってみないと、何をどう理解できていて、

何が理解できていないかがわからない。

・・・

講師の先生たちの名誉のために付け加えますが、

決して基礎講座を担当した講師の先生が

ちゃんと伝えていないというわけではありません。

「現場にいた当事者でないと分からないことがある」

ということ。

私が逆の立場だとしても、やはり

引き受ける方はそれなりの苦労が発生するはず。

実際にはじめて引き継いで、

実用講座を開催したときの感想は、

「自分が基礎講座から全部やってしまったほうが早い」

と思った。

・・・ということは、やはり、

任せた先生から引き継いだ時、

ちゃんとフォローできる自信がなかったから

いままで一人で全部やってきただけだった。

いま振り返って考えてみても、

もっと早く自分に自信があれば、

もっと早くに人に任せていたはずと確信している。

また、

いま任せられるようになってきたのは、

私の能力が整い自信がついたからではない。

一人で頑張るだけの世界はそろそろ卒業して、

任せたあとのフォローができる人間に

なれる方向に、苦労したくなったからに過ぎない。

能力はいまも練習して身に着けている最中。

新しい講師の先生たちも勉強中なのだろうけれど、

私も、いまでもまだ新しいことに勉強中の

その他大勢の中の一人にすぎない。

・・・

世の中には、未熟な人(自分?)を責める人がいる。

なんてもったいないことをするのだろうと思う。

人は未熟だと自覚しながら挑戦しているときにこそ、

一番成長できるのではないだろうか。

未熟なことを責める人は、成長のための行動を止めやすい。

それでは、チャンスの芽を摘んでしまっている。

するとさらに成長できない自分を見て、また責める。

いつまでたっても成長しないし、

いつまでたっても自分を好きになれない。

違う言い方をすれば、

「成長しないでいるために、自分を責めて回避している」

ともいえる。

それはともかく、

私が人に任されなかったのは、

相手の能力が足りない以上に、

自分のフォローする能力に疑問があり、

自信がもてないからだった。

・・・

いかがでしょうか?

「あの人に任せるよりも、自分でやってしまったほうが早いから」

と思うことはないですか?

そんな思いが沸き上がってきたときは、

「任せる自信が、まだ自分にないんだな」

と自分事に置き換えて

とらえてみてはいかがでしょうか。

相手の責任にしているうちは、

なかなか物事は進展しないものです。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「他人の能力のなさに腹が立つときは、自分の能力のなさから目を背けたいとき」

逆の言い方をすれば、

できない自分、足りない自分を受け入れた分だけ、

自信がつくともいえます。

「何かができたら私は〇(丸)」

と言っているうちは、条件付きの愛。

条件付きの愛は底なし沼。

いつまでたっても満たされることはありません。

任せたあと起きてくることに、

苦労してでも対処しようとする、

自分を信じてみませんか。

<お知らせ>

9月から東京大阪で、今年も講師養成講座を開催します。

傾聴サポーターの認定資格&傾聴1日講座

受講済みであることが条件ですが、

受ける順番は、多少融通が利く部分もあるので、

傾聴を伝える活動をしてみたいという方は、

一度、募集要項をご確認ください。
 ↓
http://bit.ly/2tuboHw

 

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