「耳くそをとって!」
最近、7歳の息子がよく
ねだってくるようになりまして。
見てはあげるのはいいのですが、
そんなにいつも耳垢があるわけではないのであります。
あまりにもよく言うので、不審に思った妻が
耳鼻科に連れて行ったら・・・
中耳炎でした(汗)。
7歳の子に中耳炎の判断はできないですね。
あとから訊くと、聴きにくいような
違和感があったようですが、
痛みというのとは違ったようで。
息子は「耳くそで耳がふさがっている」と、
思ったようです。
「耳がおかしい」と言ってもらえれば、
すぐに中耳炎か外耳炎を疑えたのですが、
「耳くそとって」だけでは、
こちらも理解できなかったです。
聞こえにくい原因は、中耳炎でした。
・・・
話は変わりますが、以前、
傾聴講座で「気持ちのワードのくり返し」の
練習をしていたときのこと。
参加者の一人である男性は
どうしてもくり返しができませんでした。
「やっとディズニーランドに行ったんだけれど・・・」
と言っても
「ディズニーランドに行かれたのですね」
気持ちではなく、事実ばかりをくり返します。
「いやいや、そうではなくて、『やっと』や『だけど』」のような、意味や価値を合わらす表現も気持ちのワードとしてくり返しましょう」
と再度説明をしてから、
「やっとディズニーランドに行ったんだけれど・・・」
とまた同じことを言ってもやはり
「ディズニーランドに行かれたのですね」
と事実ばかりになってしまいます。
理由の一つには、当然
慣れていないからというのもありますが
それは他の参加者も同じこと。
その男性の特有の事情がありました。
お仕事は公務員なのですが、
いろいろトラブルが起きる現場で
人に指示や統率をしていくことが
求められるお仕事をされていまして。
ご本人いわく、
「人の気持ちなんかゆっくり聴いていたらやってられない職場」
なのだそうです。
そこで何十年と働いいるうちに、
「気持ちを聴かない耳」
が育ち習慣化されていたのでした。
ところがちかごろ思うところがあって
傾聴を学んでみようと思ったそうで。
聞こえているはずの言葉なのに、
聴きとって応答できない自分に驚いていました。
・・・
聴けない理由というものが、
人それぞれあります。
価値観の違い、習慣的なもの、
そして中耳炎も!(笑))
なので聴けないことを責めても
仕方ありません。
その人の生活・・・いいえ人生の中に
気持ちを聴くという習慣がなかっただけなのですから。
あるは傾聴とはちがう聞き方を
強化してきたのですから。
かくいう私も、30歳を過ぎるまでは
聴く専門家というより
職場では説得の達人でしたので(苦笑)
人のことはいえません。
でも、気持ちを聴かない習慣化が出来るということは
気持ちを聴くことを知り、続ければ
それもまた習慣化が出来る
という意味であります。
事実、私が長年お世話になっている
傾聴の師匠にお会いすると今でも
「10年前の岩松さんはひどかったですね!」
と冗談交じりでいっていただきます。
頭で知っただけではうまくなりませんが、
スポーツと同じで正しく知って、続けていれば
必ずその人なりに上達するのが傾聴です。
聴けないワケは人それぞれあります。
なんで?と出来ない理由を明らかにするより、
未来に向かって練習をはじめればすむ話です。
聴けない人に出会ったら、責めるのではなく
聴けない心のワケこそ
傾聴してあげたいものです。
<お知らせ>
傾聴を始めるのに、早い遅いはありません。
思い立ったが吉日。
新しい年からいまより聴ける自分になりたい方は、
傾聴1日講座にお越しください。
↓
http://bit.ly/2qvtDuo
■傾聴の参考になる動画
心理学的な傾聴の説明をゆっくり学べます
→ 諸富祥彦の傾聴のねっこ(動画)