関係性は2人の中にだけある(2)

いつもありがとうございます。

最近なぜか思春期の娘との会話が増えている、岩松正史です。

きのうは娘と友達の関係に、
土足で踏み込まずに済んだというお話をしました。

今日は、なぜ踏み込まずにすんだのか?
私がした経験談です。

・・・

昔話になりますが、
傾聴に絞って学びはじめたのは
2004年のことでした。

偶然、以前から知り合いだった
傾聴を主体としたカウンセリングを
13年間している先生がいまして。

その先生お勉強会に体験で
参加したのがきっかけでした。

勉強会には右も左もわからないまま
なんとなく参加した感じで・・・。

その日は、先生が聴き役で生徒さんが話す役。

時間は10~15分くらい。

ロールプレイというより
リアルに先生が悩み相談を
聴いていく感じでした。

傾聴に特化した聴き方で
悩みを聴く姿を見るのは
その時が生まれて初めてでした。

その時の先生の傾聴のすばらしさに感動して
私も傾聴の道に・・・

となれば美談なのですが、
実際はそうではありませんでして(笑)。

正直な感想は、

「意味が分からない!」。

話し手さんを否定していないのは
わかるけど(受容)、

話し手が黙ったら、
ただその場にどんよりいるだけで
沈黙でも何もしようとしない。

どんよりしている話し手さんと
一緒にどんよりしてますます
どんより感がひどくなっていくような・・・。

そんな重苦しい時間が、
ただただどんよりと過ぎていくのでした。

もちろんその中で言葉のやり取りはありましたが、
問題を解決していくようなものでもなくて。

元気になる支援をしているというよりは
ネガティブを強調して、
お互いにネガティブになっていくだけの印象でした。

「何をやっているの?」
「何もしないの?」

そんな風に心でつぶやきながら
正直イライラしながら見ていました。

そしてロールプレイが終わった時、

「今回はロールプレイ、きっと先生が失敗したのだろう」

と思いました。

その後、外で見ていたオブザーバーたちも含めて、
みんなで感想をシェアしていくのですが、

話し手役だった方が
感想を話す時間になったとき
期待に反する反応に衝撃を受けたと同時に、
混乱したのでした。

何をおっしゃったかというと。

はじめはちょっとすっきりした明るい声で、

「他愛もない個人的なことを聞かせてしまってもうしけない気持ちになったけれど、受け止めてくださっている感じがして・・・」

と話し始めまして。

これはきっと先生に対する
おべっかかなと思って聞いていたら、

直後に急に声を詰まらせて、
嗚咽し、泣き始めたのです。

カウンセリングは失敗した(ように見えた)のに
何でこんな感情がでてくるの???

まったく理解できず混乱しました。

もう一つ驚いたのは、

話し手だった方が涙し始めた様子に対して
先生が全く動揺していなかったことです。

明らかに「想定内」のことが起きている感じで、
その涙しながらぽつぽつ話す方にまた、
傾聴し寄りそっているのでした。

そのとき4つのことを学びました。

(1)先ほどのロールプレイは失敗ではなく、本来の傾聴だった
(2)2人の間にある関係性というのは、2人にしかわからない
(3)人はネガティブを受け入れらた時にこそ、本当のポジティブになれる
(4)ロールプレイは聴いている最中だけが傾聴の練習ではなく、おわった後のシェアリングの時間も傾聴の練習時間である

あれから10年、その時の先生と
似た体験をたくさんしてきたものですから、

昨日のBLOGで書いたように、
娘と友達の関係にも変に
踏み込まずにすんだのでした。

余分なことをしなんですんで
よかったなと思っています。

こんな風に、
傾聴力を身につけて得をするのは、
話を聴いてもらう人よりも、
傾聴をする本人の方なのであります。

聴く人にメリットがなければ、
傾聴はただの苦行です。

・・・

明日は上の(4)番のつながりで、
傾聴のロールプレイ練習時における
傾聴マインドを持ったシェアリングの仕方について
お話ししましょう。

<お知らせ>

聴く人自身の自己肯定感が上がる
傾聴力に興味がおありでしたら、
14年の経験を凝縮した
傾聴1日講座にお越しください。
 ↓
http://bit.ly/2qvtDuo

形だけではない、人生に使える
本当の傾聴を感じていただけると思います。



logo1

■傾聴の参考になる動画
心理学的な傾聴の説明をゆっくり学べます
→ 諸富祥彦の傾聴のねっこ(動画)

PAGE TOP